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シラバス詳細照会

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  • 講義要項やWebシラバスの記載内容は、登録された受講生の人数や理解度に応じて、授業開始後に変更となる可能性があります。

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授業情報

開講年度 2019年度 開講箇所 法学部
科目名
国際取引法 II B

担当教員 久保田 隆
学期曜日時限 秋学期  火3時限
科目区分 国際関連科目 配当年次 3年以上 単位数 2
使用教室 10-109 キャンパス 早稲田
科目キー 1200004532 科目クラスコード 02
授業で使用する言語 日本語
  コース・コード LAWE381L
大分野名称 法学
中分野名称 国際法
小分野名称 その他
レベル 上級レベル 授業形態 講義

シラバス情報

最終更新日時:2019/03/02 10:37:15

副題 応用編(秋学期)
授業概要
 国際取引法の応用編では、講師の長年の日本銀行勤務経験や金融と電子決済に関する実務経験
を交えつつ、実務(特に財務部門や銀行・証券・保険等の金融会社)で必要不可欠な金融や電子決済
に関する基本知識を学びます。

 法学部卒の学生は、経済学部や商学部卒の学生に比べると、新聞や財務諸表の読み方から高度
な金融取引の理解に至るまで、学部教育の枠内だけで学べる機会は、従来はあまりありませんでした。
講師自身も法学部卒で金融業務にいきなり従事したため、独学で多くの知識を身につけましたが、予め
勘所を授業で学んでいれば相当入り易かったように思います。そこで、この部分を埋めるような授業を行う
予定です。
授業の到達目標  (1) 金融制度・取引・電子決済について、基本的な仕組みや法律を着実に理解し、財務部門
  や金融会社における実務に十分対応できるようにする。

 (2) 映画や見学を通じて、立体的に学ぶ。
授業計画
1:
第1回  オリエンテーション(本講義の目的と概要)、社会人の作法&新聞・雑誌の読み方&英語の学び方等
 講義概要やキャリアデザインについて、講義します。教科書の「国際取引法の目的別学習法」が
該当頁です。国際ビジネスに熟達するためには、日経新聞はもとより、米Wall Street Journal、
英Financial Timesなどの外国新聞を購読したり、東洋経済、Economist等の雑誌にも目を通すこと
が効果的です。また、英語に関してもNHK語学講座等の有効活用が望まれますが、そうした基本的
な部分をガイダンスすると共に、講師の企業人事経験に基づき、社会人の基本作法について一緒に
考えてみましょう。
2:
第2回  貿易の仕組みと法律の構造、各国事情、財務会計の基礎
教科書の序章参照。各国事情と財務会計の基礎も併せて講義します。法学部出身者でも財務諸表
を一応理解しておく必要はあります。そこで、財務会計の初歩(B/SとP/L、取得原価主義と時価主義、
ヘッジ会計)を学ぶと共に世界の各国事情について概観しましょう。
3:
第3回  国際取引の法的枠組みと国際コンプライアンス
教科書の第1章参照。この部分は前期の復習を含みますが、単に後期からの参加者の橋渡しだけでなく、
各分野の最新の動きを深く解説します(教科書の各コラム参照)。 金融機関であればマネーロンダリング、
商社・メーカー等では外国公務員贈賄規制が目下、国際コンプライアンスの主要課題であり、その不備は
大きな制裁金付加リスクを生んでいます。これらはどのような問題状況にあり、法的にはどのような問題を
孕むのか、について、前期も簡単に触れましたが、より一層踏み込んで考えてみます。
4:
第4回  支払の基礎から応用まで
教科書の第5章参照。前期に支払制度について簡単に学びましたが、銀行送金やネッティング、マネーバック
ギャランティー等の詳細について、もう少し見ていきましょう。また、支払完了性(finality)、決済完了性
(settlement)、清算(clearing)、未決済残高(risk exposure)、即時グロス決済(RTGS)、時点ネット決済
(DTNS)、DVP(資金・証券の同時決済)、PVP(円貨・外貨の同時決済)等、決済システムに関する基礎
理論をどこよりも分かり易く解説します。 
 一方、ネッティングは、航空会社、金融機関等の国際グループ企業間取引で多用される相殺類似の取引
です。外貨送金の手数料支払を大幅に削減し、相手方の倒産リスクを最小限に抑えるための有効な手段
ですが、一括清算と呼ばれるネッティングや三者間以上のネッティングの場合に、法的なリスクを相当抱えてい
ます。そこで、実務において如何なる対策がなされているか(あるいは、まだ放置されているか)を検討しましょう。
また、Bitcoinなど様々な国際電子マネーが登場する中、これら新しいお金に対する法規制はどうなっているのか。
そもそもマネーとは法的にはどのように整理されているのか、等、法的貨幣論にも言及しつつ、新しい電子マネー
の開発や利用における法的知識を整理しましょう。
5:
第5回  ブロックチェーン3:会計・税務その他 
前期でブロックチェーンの仕組みや法的課題を学習しましたが、本講義ではさらに、会計・税務上の論点や、
個人情報保護、資金洗浄、業法上の論点など、様々な深堀りをします。
6:
第6回  金融規制と国際ローン契約1:基本形
教科書第7章参照。これに加えて、金融規制法も解説します。金融(特に銀行)は規制産業です。なぜ規制が
必要なのか?どのような規制が存在するのか等につき、基礎からじっくり学びましょう。例えば、なぜ銀行と証券は
分離してきたのか?(日米は分離、欧州は融合)、なぜ銀行と商業は分離されているのか?(米は分離、欧は融
合可、日は商業からの一方的参入のみ可能)、なぜ自己資本比率規制や出資規制があるのか?、バーゼル合
意とは何か(なぜソフトローなのに拘束力が強いのか等)?など、様々な観点からみていきましょう。 
7:
第7回  国際ローン契約2:応用形
 2008年の世界金融危機の原因の1つに証券化が挙げられることがあります。証券化は、あらゆる産業の資金
調達手段として未だに多用されていますが、どのような仕組みであり、何が法的に問題になり、その利用に当たっ
てはどこに注意したら良いのか、一緒に考えてみましょう。その他、シンジケートローン、ローンパーティシペーション、
プロジェクトファイナンスを扱います。
8:
第8回  映画Enron:証券化を使った会計詐欺事件
 証券化と時価会計を用いたEnronの巨額詐欺事件は、サーベンス・オクスリー法による内部統制規制の世界
的な強化(日本の金融商品取引法もこれに倣った)を生みました。一体、Enronでは具体的にどのような詐欺が
行われたのでしょうか?この映画は、主犯の議会証言や寸劇への登場(!)、告発者の証言等を多数交えた、
ドキュメンタリー映画で、大変勉強になります。じっくり見てみましょう。
9:
第9回  金融リスク管理
教科書第9章参照。
 デリバティブとは債権、外貨等から派生した取引で、先物・先渡、オプション、スワップ等が基本類型です。難し
いので35歳過ぎると理解できない「35歳ルール」などと言われることもありますが、大丈夫、必ず理解できます。
デリバティブは、元々はリスクを減らすヘッジ目的で、その後は、リスクを取らずに利益を得る裁定目的や、リスクを
取って収益を狙うスペキュレーション目的でも用いられています。財務部門では、会計粉飾の道具とされることも
ありましたが、それを回避するために、時価会計やディスクロージャー制度が拡充されてきました。
10:
第10回 映画「銀行崩壊」:デリバティブを用いた粉飾で銀行が倒産した事件
 1995年のBarings事件では、シンガポールにいた高卒のデリバティブ・トレーダーであるニック・リーソンが、神戸
震災後の日経平均株価の動向見通しを誤って巨額損失を計上し、それを隠匿した結果、イギリスの女王陛
下の取引銀行であった名門Barings銀行が倒産する大事件に至りました。どのようにして粉飾したのか、デリバ
ティブ取引とはどのようなものか、じっくり学んでみましょう。
11:
第11回 ブロックチェーン4:最新の動向
 今話題のブロックチェーンについては前期から様々な角度で取り扱ってきましたが、ここでは最新の情報を元に、
ビジネスの最先端や法的課題を紹介します。


12:
第12回 金融以外の国際ビジネスの動向
教科書第4章、第6章参照。
金融以外の分野(国際運送・紛争解決など)における国際ビジネスの最先端と、その法的課題を解説します。
例えば、低成長期に入った日本は「観光立国」に力を入れ、インバウンドの増加やLCC、民泊等の動きに繋がっ
ていますが、それと共に諸外国からのマネーロンダリングがらみの諸犯罪(偽札等)も飛来しており、法的課題は
増えています。
13:
第13回 ゲスト講演
 2017年度は、混迷するロシア情勢や日ロ関係について駒木・朝日新聞論説委員に、国際シンジケートローンの
実務について堀口・前国際協力銀行アジア統括役に、ゲスト講演して頂きました。
14:
第14回 見学:日本銀行貨幣博物館&東京証券取引所またはシンポジウム参加(追って通知)
 グアム島の南に位置するヤップ島の石貨フェイをご覧になったことはありますか?世界各国の紙幣・貨幣、あるいは
古代の貨幣なども実際に見てみましょう。そして、先に学習した法的貨幣論を思い出して、もう一度、頭を整理して
再び「マネーとは何か?」、この深遠なるテーマを考えてみましょう。⇒日銀貨幣博物館へ 
 株式や国債、デリバティブ等の取扱いで日本最大の取引所と言えば、兜町にある東京証券取引所ですね。
そこで、実際に東京証券取引所に出かけて取引の様子を学んできましょう。百聞は一見に如かず。本ばかり
読んでいても財務・金融の実力はつきません。日本経済の血脈を一緒に感じてきましょう。⇒東証へ
15:
第15回 金融危機と危機管理(映画13 Days)
 再びリスクについて考えてみましょう。システミック・リスクに代表されるように、金融では、1つの支払不能が他の支払
不能を呼び起こし、決済不全が瞬時に連鎖してしまい、経済全体が麻痺することが最大の懸念事項です。リスクに
対しては事前の備えが大切なことはもちろんですが、いったん起きた場合には危機管理が大切になります。そこで、
最初に簡単なメカニズムを説明した後、危機管理の一般論を映画を通じて学びましょう。実際、財務・金融に限らず、
一企業においても風評が蔓延して倒産に追い込まれたり、一国家においても交渉の掛け違いが戦争を招いたりする
ことがあり、危機管理はあらゆる場面で重要です。そこで、危機管理の教科書とも言われる、キューバ危機を題材と
する映画『13 Days』を元に、危機管理について学んでいきましょう。
教科書 久保田隆『国際取引法講義:第2版』中央経済社(2019年)
成績評価方法
割合 評価基準
試験: 0% 特になし
レポート: 75% 授業で扱った内容の中から、課題を決めてレポート提出(A4で3枚程度)。関連する内容であれば何を論じても良いが、教科書の関連項目・キーワードを5つ程度挙げ(講義等で言及した内容も幅広く含むので、あまり厳格に考えなくてもOK)、教科書の該当ページを明示すること(講義中に言及したキーワードについてはその旨を明示して頂ければOK)。キーワードへの準拠よりもレポートの中身を中心に採点する。
*キーワード設定の趣旨は、海商法や国際経済法、独占禁止法など隣接科目からのレポート転用を防ぐため。
平常点評価: 25% 感想文等。講義出席者の熱意に応える目的で、ゲスト講演や自由見学等の出席点に加点します(感想文の内容に応じて加点幅も異なります)。
なお、この平常点による加点が全くなくても、レポートがよければA+を含めて評価しますので、講義に出てもいないのに代返をしたり、内容のない感想文を提出することはお控えください。
その他: 0% 特になし
備考・関連URL
期末レポートのキーワードのうち、教科書には出てこないが授業では扱う項目(例:TPP11)については、キーワードの数に入れてよいこととします。

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