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シラバス詳細照会

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  • 講義要項やWebシラバスの記載内容は、登録された受講生の人数や理解度に応じて、授業開始後に変更となる可能性があります。

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授業情報

開講年度 2019年度 開講箇所 法学部
科目名
憲法特論 I(総論・統治)

担当教員 中島 徹
学期曜日時限 春学期  月3時限
科目区分 行政(公共政策)関連科目 配当年次 2年以上 単位数 2
使用教室 8-B101 キャンパス 早稲田
科目キー 1200006100 科目クラスコード 01
授業で使用する言語 日本語
  コース・コード LAWA211L
大分野名称 法学
中分野名称 公法
小分野名称 憲法
レベル 中級レベル(発展・応用) 授業形態 講義
  オープン科目

シラバス情報

最終更新日時:2019/03/02 10:37:15

授業概要


1年次の憲法IIIにおける人権にかかわる基礎知識は、統治機構論と結びつくことで現実に生起する様々な憲法問題を分析し批判する道具となります。しかしそれだけでは、まだ道具にすぎません。我々は何のために憲法を制定するようになったのか。我々は、憲法とどのように向き合うべきなのか。皆さんは、ハーバーマスの「憲法愛国主義(パトリオティズム)」という言葉をご存知でしょうか?愛国主義などというとぞっとしないかもしれませんが、ハーバーマスが説いているのは、盲目的に国を愛することや。まして政権の意向に従うことなどではなく、憲法に従い・活かすことにほかなりません。でも、どうすれば憲法を「活かす」ことになるのか。皆さんとともに、現実社会で生起する具体的問題を念頭において「憲法とは何か」を考えるのがこの授業です。

より具体的に概略を示せば、以下の通りです。

憲法特論I(総論・統治)は、1年次の必修科目憲法IおよびIIで充分に検討することができなかった問題(総論と統治は、1年次にはどうしても手薄になりますが、これらを相応に理解しないと憲法を学んだことにはなりません)や、すでに取り扱った問題でも、それをさらに掘り下げて考えることを目的としています。総論では、憲法とは何か、いかなる歴史的発展を遂げてきたか、憲法の基本原理などを検討することから、日本国憲法の成立過程、平和主義、国民主権と天皇、さらには法人の人権や外国人の人権、特別の法律関係や憲法の私人間効力などを、そして統治では主権と人権、いいかえれば民主主義と立憲主義を基軸としつつ、立法権や行政権、司法権、さらには地方自治の現状とあるべき姿を、いずれも現実に生起する問題を踏まえて検討します。その際、1年次に私の担当する憲法IBIIBを受講した人はご存知だと思いますが、皆さんの中から意見を募り(希望者のみですからご安心ください)双方向で授業を進め、考える授業を行いたいと思います。とりわけ、昨今は、民主主義とは多数決といってはばからない政治家(のみならず人々)が少なくありませんが、多数決が民主主義であるなら、憲法は不要です(その時々の多数者が社会の在り方を決めれば足ります)。なぜ、私たちは憲法を必要とするのか、常に日本社会の現状を踏まえつつ、憲法の役割を考えていきます。


授業の到達目標 憲法学の基礎知識を身につけ、現実の憲法問題を自分自身の知性で分析し、意見を述べ、憲法問題に不慣れな人々に、自らの知識を伝えることができるようになることを目標にしています。
事前・事後学習の内容 事前にコースナビにレジュメをアップしますので、必要に応じてDLしてください。また、事前に考え、あるいは学習してきてほしい内容は、前の週に伝えます。基本的には、教科書の該当部分や関連する判例を憲法判例百選等で読んできてください。事後学習は、当日の授業後の質問やコースナビのレビューコーナーを利用して、授業でわからなかったところや、授業中に発言できなかったことなどを遠慮なく指摘してください。返信は、時間がかかる時もありますが、必ず行います。なお、以下に掲げる各回の授業進行はあくまで予定で、実際にはその通りに授業を進めることができないことがあります。それは、双方向授業であったり、時々に生起する問題を題材とするために生じることですが、事前にアップするレジュメや、各回の授業の最後に次回の授業内容をお知らせしますので、それで次回の授業内容を確認してください。
授業計画
1:
第1回日本国憲法13条から考える「憲法とは何か」―憲法が保障する権利と統治機構
憲法13条における「個人の尊重」と自民党改憲案における「人として尊重」の意味の違いから、日本国憲法が保障する権利の意味を考えます。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します(その時々のアクチュアルな問題(例えば共謀罪法案)を取り上げるためです)。
2:
第2回「自由で平等な個人」と「公共の福祉」―日本国憲法と大日本国憲法の対比で考える。
個人の自由と「公共」の関係を具体的事案をもとに考えます。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
3:
第3回「市民」とは誰か―外国人/法人/天皇
トランプ大統領が推進する移民規制と日本の入管政策の現状、天皇の退位問題と女帝問題、企業社会における法人の位置づけなどを、具体的事案をもとに検討します。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
4:
第4回市民社会と公私二分論―人権の私人間効力、部分社会、特別の法律関係
私たちの社会には、さまざまな団体(企業や宗教団体、ボランティア団体や政治団体などなど)が存在します。そうした団体において、個人の権利はどのように貫徹できるのか。できないのかを考えます。詳細は、事前にアップするレジュメで示します。
5:
第5回日本国憲法9条・平和主義の過去・現在・未来
憲法9条が掲げる平和主義は、今日では様々な観点から批判されています。憲法が想定する平和主義とはどのようなものか、それはもはや不要なのか(憲法9条を改正すべきか、仮に改正するとしたらどのように改正するか)を考えます。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
6:
第6回国民主権と人権
国民主権と人権保障は、平和主義と共に憲法が掲げる三大原則ですが、実は矛盾する契機をはらんでいます。例えば、これらを多数決で放棄することはできるでしょうか?三大原則を放棄した憲法は、それでも日本国憲法の改正といえるでしょうか?このことはまた、多数決で人権を制限することはできるのか、という問題ともかかわり、第1回の憲法とは何かという問いを改めて突きつけます。こういう原理的な問題を、現実に生起する具体的な問題から考えます。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
7:
第7回権力分立―議会制民主主義と民意
権力分立とは、いうまでもなく国会、内閣、裁判所の権限がそれぞれ別個の機関に配分され、時に対抗しあうことを想定するシステムです。国民によって選出された国会と、選挙で選ばれたわけではない内閣及び裁判所はいかなる関係にあり、それを憲法はどのように構想しているか、しかし現実の政治状況はそれにふさわしいものとなっているかについて考えます。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
8:
第8回政治的自由と選挙・選挙権
みなさんは、これまでのところ選挙時に棄権をしたことがないでしょうか?これまで考えてきた国民主権と人権の関係を念頭におくと、自らの人権を確保するためには、代表者を選出する選挙に参加することが大前提であることが分かると思います。しかし、選挙に際しては公職選挙法で多くの選挙運動規制がなされており、候補者と個別に接触することすら難しい制度となっています。これは、表現の自由に抵触するという考え方もあり、実際諸外国で規制されているのは、韓国と日本だけという指摘もあります。こういう規制が実は政治への関心を殺いでいるとしたら、私たちは選挙の公正という名目で、政治的自由を奪われていることになります。政治的自由と選挙権はいかなる関係にあるのかを、この回では考えます。より具遺体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
9:
第9回行政国家と憲法―行政権と民意
行政権に属する内閣及び、それを支える国会(議院内閣制)は、現在「一強」といわれる状況にあります。これは、三権分立の観点から望ましいことなのか。選挙でえらばれないはずの行政権に民意を及ぼさせるとはどういうことなのか。喝采による政治は、民主主義国家にふさわしい状況なのかヲ、憲法原理的に考察します。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
10:
第10回地方自治―人口減社会における地方自治と憲法
三権分立のところでは、国会、内閣、裁判所と書きましたが、地方自治は中央政府との関係で権力分立の担い手となり得る仕組みです。しかし、実際にそのように機能しているかというとはなはだ疑問です。中央集権国家と分権国家の長短を検討しつつ、日本国憲法が想定した地方自治制度の在り方を考えます。より具体的には事前にアップするレジュメで示します。
11:
第11回司法権―裁判官と判例
私法は民主主義の最後の砦ともいわれます。しかし、裁判官は選挙で選ばれるわけではありません。仮に裁判官が非民主主義的な人物で、日本国憲法を否定する人だったらどうでしょう?また、裁判所の判例は、しばしば司法試験受験生などによって「規範」と呼ばれます。果たして、判例は「法」なのでしょうか?それを言い渡す裁判官像ともかかわり、司法権が三権分立の仕組みの中で果たすべき役割はどのようなものであるのかを考えます。より具体的な内容は、事前にアppするレジュメでしまします。
12:
第12回違憲審査をめぐる現状と課題
制度としての違憲審査制は、国会で多数決により制定された法律を違憲無効とする可能性を持っている点で、「立憲主義と民主主義」問題のひとつです。トラップ大統領の移民規制策について、裁判所が差し止めたことを、同大統領は「ひどい判断だ」と非難しましたが、果たしてそうでしょうか?ひるがえって、日本で同様の問題が起きたとき、日本の裁判所は同様の判断をするでしょうか?むしろ、国会や内閣の考えを「忖度」して自己抑制してしまうのではないでしょうか?それは、違憲審査の在り方として望ましいのでしょうか。より具体的な内容については、事前にアップするレジュメで示します。
13:
第13回歴史の中の日本国憲法―憲法改正論を考える
1年次の人権論を中心とした議論と、今回の総論・統治の授業を通じて手に入れた日本国憲法の理解を前提に、仮にこの憲法の仮に変えるべきだと主張するのであれば、なぜ変える必要があるのか、どこをどう変えるのかといった問いに答えることができなければなりません。現在提案されている改憲案を中心に、これまで憲法改正が必要だとされてきた例を踏まえて、憲法改正の必要性について考えます。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
14:
第14回憲法とは何か―主権と人権
これまでの授業の総まとめです。より具体的な内容は、事前にアップするレジュメで示します。
15:
第15回期末試験
2問中1問必答の予定です。
教科書 樋口陽一「憲法 第三版」(創文社)なお、出版社が廃業予定のため入手困難になる可能性もあります。その場合は、授業時に代替案をお話しします。
「憲法判例百選 第六版I/II(有斐閣)
参考文献 必要に応じて授業中に示します。
成績評価方法
割合 評価基準
試験: 85% 期末試験1回です。
レポート: 10% 授業中に指示した場合、考慮します。
平常点評価: 5% 授業中に自主的に発言した人について考慮します。
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