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シラバス詳細照会

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  • 講義要項やWebシラバスの記載内容は、登録された受講生の人数や理解度に応じて、授業開始後に変更となる可能性があります。

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授業情報

開講年度 2019年度 開講箇所 教育学部
科目名
岩石学

担当教員 小笠原 義秀
学期曜日時限 春学期  水4時限
科目区分 理学科地球科学専修 配当年次 2年以上 単位数 2
使用教室 6-201 キャンパス 早稲田
科目キー 1505035232 科目クラスコード 01
授業で使用する言語 日本語
  コース・コード PLNX341L
大分野名称 地球惑星科学
中分野名称 地球惑星科学
小分野名称 岩石・鉱物・鉱床学
レベル 上級レベル 授業形態 講義
  オープン科目

シラバス情報

最終更新日時:2019/03/01 16:07:34

副題 地球構成物質を通して惑星地球の成り立ちと進化を考える
授業概要

注意事項:本科目の配当年次に関して、Web上のシラバスでは「2年以上」とされていますが、正しくは「配当年次:2年」です。本科目の成績がF以上であることが「岩石記載法」(秋学期)の履修条件になっています。また、本科目は「岩石記載法」とともに単位を取得していることが「岩石学実験」(3年次)の履修条件になっています。


 地球や惑星の成り立ち・進化を考え,説明するための方法論を物質科学と地質学の立場から提供する分野が岩石学です。地球には多様な岩石が存在します。しかし,その多様性と空間―時間分布には,岩石形成の場・環境・メカニズムと関連した背景があります。 

 「これは普通の石ころですか?」という質問をしばしば受けますが,それぞれの岩石は固有の歴史をもち,その解読につながる情報をもっています。例えば,花崗岩質岩は大陸を構成する主要岩石であることは良く知られていますが,花崗岩質岩の存在が海の存在と関係していることは以外と知られていません。これは花崗岩質のマグマを作る条件として比較的低温で岩石が融解することが関わっています。この効果をもたらしているのが岩石の部分融解に対するH2O存在の効果です。海洋プレートの沈み込みによりマントル内に岩石物質が運び込まれていますが,同時に形成の頃に海洋と接していた表層部分が鉱物中の結晶構造中の水(OH基)として海洋起源の水をマントルに運んでいるのです。このようなプロセスが関わることでSiO2の多いマグマが形成されます。それでは海洋の存在しない地球型惑星では花崗岩を造るメカニズムは存在するのでしょうか。興味をかきたてる大きなテーマです。


 海洋プレートの表層は玄武岩質岩で構成されています。どうして玄武岩なのでしょうか。これはマントル内部のカンラン岩が高温状態をたもったまま固体で上昇してきた結果,減圧効果で融解するためです。それでは,何故カンラン岩とほぼ同じ組成のマグマを造らないのでしょうか。それは現在のマントルの温度と関係しています。地球の歴史の前半部分の太古代ではそのような超苦鉄質のマグマの噴出産物であるコマチアイトが知られています。マントル内部の温度が今よりも高かったことに起因していると考えられています。コマチアイトと類似の極めて高温度のマグマの噴出の事例は木星の衛星のイオの火山活動で確認されています。


 このように,地球や惑星の成り立ちとその歴史を岩石という情報源を用いて謎解きをしてゆくことが現在の岩石学の役割です。そのためには,多様な岩石の精密な分類が求められます。長い地質学の歴史のなかで積み重ねられた岩石に関する詳細な情報は,より大きなテーマの謎解きの必須の情報として生かされているのです。本科目では,以上のような観点から岩石の多様性とそれを作ったメカニズムと,そのための経験的・理論的枠組みの学習をめざします。



(注)関連資料に掲載されている写真は米国カリフォルニア州Jenner産の後退変成作用を受けたエクロジャイト。海洋プレートの玄武岩層が深部に沈み込んで形成された岩石が地表に上昇してきたものです。含水玄武岩が高圧条件の変成作用を受けて形成される岩石の代表例です。赤褐色の粒状結晶は沈み込み過程で成長したガーネット。粒子が回転しながら成長した様子も観察できます。その周囲はオンファス輝石とそれが部分的に変化した藍閃石。


授業の到達目標 地球や惑星の成り立ちとその歴史を岩石という情報源を用いて謎解きをしてゆくことが現在の岩石学の役割です。そのためには,多様な岩石の精密な分類が必須です。長い地質学の歴史のなかで積み重ねられた岩石に関する詳細な情報はより大きなテーマの謎解きの必須の情報として生かされています。本科目では,このような観点から岩石の多様性とそれを作ったメカニズムと,その理解のための経験的・理論的枠組みの学習をめざします。
事前・事後学習の内容 第1回目に講義内容のほぼすべてについて記した資料を配布する。2回目以降は配布資料を読んで授業にのぞむことを前提とする。また、授業での学習事項を確実に身に付けるため、授業後に資料を用いて自ら理解内容の確認と疑問点の整理をする。
授業計画


1.はじめに:岩石とは何か。岩石学は何を明らかにするのか。


 惑星地球の謎解きにきわめて重要な意味をもつ岩石の実例紹介

 


2.地球の内部構造と構成物質の概要


 現在の地球の内部構造


 太陽系の初期物質と初期地球の構造と物質及びその変化


 プレートテクトニクス:その概要、役割、地球物質循環における意味


 沈み込んだ海洋プレートの顛末と地球物質大循環


   海洋プレートの沈み込みは最終的にどうなるのか。


   メガリスの形成とコールドプルーム



3.岩石理解のための鉱物学


 原子と結晶構造の概説


 造岩鉱物学


鉱物・多形・固溶体など


化学的性質による鉱物の分類


ケイ酸塩鉱物の分類とおもなケイ酸塩鉱物


 鉱物の性質解明の方法論:各種機器分析手法等

 


4.鉱物の相平衡と熱力学


化学ポテンシャルとGibbsエネルギー、化学平衡の条件


化学熱力学の基礎


Gibbsの相律(f = C P + 2)


相平衡図の理論とその実例・応用


火成岩への応用・変成岩への応用

 


5.岩石分類の枠組み


成因による分類:火成岩・変成岩・堆積岩


分類の意義と限界


 


6.火成岩岩石学と火成岩の分類


 火成岩の分類と実例


 超苦鉄質岩・苦鉄質岩・中性岩・珪長質岩


 火山岩・半深成岩・深成岩


 超苦鉄質岩とその分類


 苦鉄質岩とその分類


 広義の花崗岩質岩とその分類


 火山岩の分類


 化学的性質に基づく火山岩の分類とCIPWノルム計算


 Variation diagramから見た火山岩の特徴と分類


 火成岩の組織とマグマ冷却の過程


 火成岩の産状とその実例


 マグマの性質


 マグマの発生メカニズムと発生の場、起源物質


 マグマの多様性とその要因


 玄武岩質マグマの多様性とテクトニックセッティング


 まとめ:火成岩岩石学の地球科学における意義

 


7.変成岩岩石学と変成岩の分類


 変成作用と変成岩とは


 変成作用の定義・原岩・条件・特徴


 おもな変成岩の実例紹介


 変成作用の要因と分類


 広域変成作用・局所的変成作用


 変成作用で作られる組織・構造


 P-T図と変成作用の条件


 変成相の概念とその圧力―温度条件


 変成作用のP-T-t経路


 地質温度圧力計の理論とその実例とその応用限界


 変成反応の化学熱力学とその図的表現(petrogenetic grid等)


 超高圧変成作用とその岩石学における役割と意義


 地球物質大循環から見た変成岩の意義と変成作用の位置づけ


 まとめ:変成岩の地球科学における意義

 


8.マントルの岩石学概説(少しレベルが高いので簡単に触れます)


 カンラン石の相転移とその圧力―温度条件、相平衡図


 輝石の相転移と圧力―温度条件、相平衡図


 表層から下部マントルまでの構造と岩石


 マントル中の無水鉱物、含水Mg珪酸塩鉱物の安定性


 水の巨大リザーバとしてのマントル

 


9.堆積岩岩石学と堆積岩の分類


 堆積物


 風化・運搬・堆積作用、堆積物の性質


 堆積環境・続成作用あるいは石化作用


 堆積岩の分類


 砕屑岩・化学(的沈殿)岩・生物岩


 堆積構造


 まとめ:堆積岩岩石学の地球科学における意義

 


10.地球物質大循環とその過程における各種岩石の位置づけ


 


上記内容を全15回に分けて講義します。内容は学部2年度生レベルで専門科目として岩石学を学ぶ時に必須の事項です。決して高いレベルではありません。ただし、半期の授業回数が15回と限られているため、記載事項の一部を割愛せざるを得ないかもしれません。具体的には受講生の理解レベルを把握しながら、講義項目を修正してゆく予定です。受講生の予習・復習がしっかりなされていれば、ほぼすべての項目を解説することができると思っています。


 


教科書 特に使用しません。第1回目に授業の全内容についての教材資料を配布する予定です。
参考文献 「岩石学II-岩石の性質と分類-」・「岩石学III-岩石の成因-」都城・久城著(共立出版)。
「Earth's Materials: Minerals and Rocks」著者Gautam Sen,出版社:Prentice Hall
「偏光顕微鏡と岩石鉱物」黒田・諏訪著(共立出版)
成績評価方法 成績評価は、出席状況,小レポート,小試験、最終レポート等を参考に総合的に判断します。
備考・関連URL


1.この科目および「岩石記載法」の単位を取得すること(成績がC以上であること)は、3年次配当の科目「岩石学実験」を履修するための条件になっています。この科目または「岩石記載法」の単位を取得できなかった場合、翌年に「岩石学実験」を履修することができなくなります。その結果、卒業研究開始のための条件となるコア科目に「岩石学実験」が指定されている研究室で4年次に卒業研究ができなくなります。


2.配当年次2年で秋学期の「岩石記載法」を履修するためには、「岩石学」の成績がF以上であることが条件となっています。


3.この科目はオープン科目に設定されていますが、内容は地球科学を専門とする学部学生に必要な岩石学ですので、レベルは専門2年度生レベルに設定されています。


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