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シラバス詳細照会

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  • 講義要項やWebシラバスの記載内容は、登録された受講生の人数や理解度に応じて、授業開始後に変更となる可能性があります。

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授業情報

開講年度 2017年度 開講箇所 基幹理工学部
科目名
数学A2(線形代数) 基幹(2)

担当教員 本間 泰史
学期曜日時限 通年/秋学期  01:木1時限/02:月3時限
科目区分 数学 必修 配当年次 1年以上 単位数 5
使用教室 01:52-301教室/02:52-304教室 キャンパス 西早稲田(旧大久保)
科目キー 2600210003 科目クラスコード 02
授業で使用する言語 日本語
  コース・コード MATX11ZL
大分野名称 数学
中分野名称 数学
小分野名称 代数学
レベル 初級レベル(入門・導入) 授業形態 講義

シラバス情報

最終更新日時:2018/01/10 12:31:53

授業概要

線形代数学とは,理工系のどの学科に所属していたとしても,最低限知っていなくてはならない数学の基礎分野です.線形代数における様々な数学的概念を理解していること,そして,計算できことが,今後,理工系学問を学ぶうえので土台となります(高学年で専門を学べば学ぶほど,線形代数の重要さが身に染みてくるでしょう).

この授業では,ベクトル,行列から始まり,行列式,行列のランク,連立一次方程式,抽象的ベクトル空間と線形写像,シュミットの直交化,固有値・固有ベクトル,対角化など今後の理工系科目を学ぶ上で必要な事柄を学びます.基礎的なところから出発し,最終的には他分野への応用が効くように抽象論も展開していきます.また,適宜,演習を行い実践力・計算力をつけます.

授業の到達目標 以下のことを理解する.
*行列やベクトルの演算
*行列の「基本変形と簡約化」ができるようにする.
 (1年間の講義を通して,簡約化がいかに重要であるか理解できるであろう)
*行列式の意味(線形性・交代性など)を理解し,余因子展開などにより計算ができるようにする.
*一般のベクトル空間,基底,線形写像,表現行列などの線形代数の抽象概念を理解する(ここが最も難しいところ).
*内積,正規直交基底の概念を理解する.シュミットの直交化法を計算できるようにする.
*固有値,固有ベクトルの概念の理解と,対角化の計算.
*直交行列などの対角化の理解と計算.
*線形代数がどのように工学へ応用されるかのプリントを配布するので,その理解.
事前・事後学習の内容 *講義の復習を次の講義までに行ってください.その際,テキスト及び講義ノートを読み返し理解できるまで考えてください.
*講義内容に関連した演習問題を毎回解きましょう(教科書・プリント・参考書の演習問題).
*演習問題は,まずは自分で考える.いくら考えてもわからない場合には,教員・数学QAコーナー・友達などに
  質問し,議論してください.自ら考え,他人と議論することで,理解が深まっていきます.

授業の復習を必ず行い,演習問題をたくさん試行錯誤しながら解くことが理解への近道です!
復習は毎週90分かかると想定されます.
授業計画

春学期

[1] オリエンテーション(線形代数概要.数学の記号) 4月13日

      大学数学で利用する用語の解説.この講義の最終目標の解説など

[2] 2次行列を使ってこれから何を学ぶかを知る 4月20日

    2次行列を用いて,掃出し法,基本変形,ランク,逆行列など,今後学ぶことを見てみる.

[3] 行列の演算,クロネッカー演算 4月27日

    mn行列の演算法,単位行列,転値行列,逆行列など.また,クロネッカーデルタ記号(数学・物理ではとてもよく使う)の意味と簡単な計算の仕方を学ぶ

[4] 行列の分割,1次結合,連立1次方程式 5月11日

   ブロック行列の演算の仕方.ベクトルの一次結合,連立方程式を行列とベクトルで書く方法

[5] 基本変形,演習 5月18日

  連立方程式の式変形が行列の行基本変形に対応することを見てみる.

[6] 簡約行列,ランクと解 5月25日

  連立方程式を解くことは,行列の簡約化(基本変形により簡約行列にすること).さらに,解の書き方,解の次元と行列のランクとの関係を見る

[7] 正則行列と逆行列 6月1日

  逆行列をもつ行列(正則行列)の性質を学ぶ.また,正則行列に対する逆行列の求め方(基本変形による方法であり,計算上有用である).

[8] 中間試験(6月8日 予定) これまでの理解度を確認する.

[9] 行列式(2次,3次の場合) 6月15日

   2次行列で行列式の意味を考える.多重線形性・交代性・正規化条件に意識することで,3次行列の行列式へ拡張する.また,行列式の基本的な性質(det(AB)=det A det B)などを2次,3次で確かめる.

[10] 置換群 6月22日

   2次,3次行列式の際に現れた,置換群を一般的な場合(n次置換群)へ拡張する.

[11] n次行列式とその性質 6月29日

   n次行列式を定義し,その計算法を学ぶ.

[12]  余因子展開,逆行列,演習 7月6日

   行列式の性質の続き.さらに,それを用いて余因子展開を学ぶ.さらに,逆行列の公式を学ぶ(実際に計算するには[7]で学んだ方法がよい)

[13] クラメールの公式.いくつかの重要な行列式とその計算 7月13日

   行列式の応用について学ぶ.特に,ファンデルモンド行列式などの,有用な行列式を学ぶ.

[14] 期末テスト 理解度の確認 7月20日

[15] 学習した内容の点検と確認 7月27日

 

秋学期

[1] 春学期の復習と演習 9月28日

   演習を通して,簡約化など春学期の復習をする.

[2] 抽象的なベクトル空間 10月2日

   数ベクトル空間R^nを抽象化していく.「和とスカラー倍」(+いくつかの性質)ができる集合であるベクトル空間を定義する.行列全体がなすベクトル空間,関数全体がなすベクトル空間など,将来,学ぶであろう例を述べる.

%%%% このあたりから,抽象的な話になっていくので,より一層の理解が必要になってくる%%%%%%%

[3] 部分ベクトル空間,演習 10月5日

   部分ベクトル空間について学ぶ.また,抽象的ベクトル空間に関する演習を行う.

[4] 1次従属,独立 10月9日 (休日授業実施)

   ベクトルたちが,1次独立性について学ぶ.具体例として,R^nのベクトルたちの1次独立性を調べるには,行列の簡約化(をしてランクを見る)が必要となってくることを見る.

[5] [4]の続きと演習 10月12日 [4]の続きで,独立・従属に関するいくつかの命題を述べる

[6] 独立なベクトルの最大個数,10月16日

  与えられえたベクトルたちの中で,独立なベクトルの最大個数を求める方法を学ぶ.ここで学ぶ命題「行列の列ベクトルの1次関係式=簡約後の行列の列ベクトルの1次関係式」(なぜ?理由は,行基本変形が可逆な行列を左からかけることに対応しているから)

[7] [6]の続きと演習 10月19日

[8] ベクトル空間の基底と次元 10月23日

   重要な概念である「基底」(または「基」),そして「次元」について学ぶ.

[9] ベクトル空間の基底と次元(具体的な問題など) 10月26日

   前回の続きとして,解空間の基底,部分ベクトル空間の基底など

[10] 基底・次元に対する演習と線形写像10月30日

    線形写像とは,ベクトル空間からベクトル空間への写像であり,ベクトル空間の構造を保つ写像である.つまり,和とスカラー倍を保つ写像である.式で書けば,f(u+v)=f(u)+f(v), f(cu)=cf(u)

[11]  線形写像 11月6日

       線形写像の具体例.さらに,重要な定理である「核の次元+ランク=像の次元」を学ぶ

[12] 線形写像その2及び演習 11月9日

   線形写像に関する演習を行う.

[13] 表現行列 11月13日

   線形写像をより具体的に表したい.ベクトル空間の基底をとって,各ベクトルを座標で表示すれば,ベクトル空間は数ベクトル空間R^nと考えることができ,そのとき線形写像は行列で表せる(それが表現行列).というわけで,ベクトル空間の間の線形写像のランク,核,像などを調べるには,表現行列の簡約化を行えばよい.

[14] [13]の続きと演習 11月16日

   演習を行う.

[15] 中間試験(予定) 11月20日

[16] 固有値と固有ベクトル 11月23日

   固有値と固有ベクトルは,理工系の線形代数の応用でもっとも重要と言えるかも.固有ベクトルを求めることがいかに大事かについてみていく.

[17] 固有値と固有ベクトル(行列の場合.具体例など)及び演習 11月27日

   行列の場合に,固有多項式,固有値・固有ベクトルを計算する.

[18] ケイリーハミルトンの定理と応用 11月30日

   固有多項式に行列を"代入”(?)したらゼロ行列になってしまうという,美しい定理について学ぶ.

[19] 一般の線形変換に対する固有値,固有ベクトル 12月4日

   一般のベクトル空間V上の線形変換でも,その固有多項式は,基底を固定して,その基底に関する表現行列の固有多項式・固有値を調べればよい.しかし,固有ベクトルを求めるには,もとまった座標(表現行列に対する固有ベクトル in R^n)と基底を使って,Vのベクトルとして表す必要がある.

[20] 対角化 12月7日

    行列の対角化とは何か?対角化できるための必要十分条件を求める.なお,抽象的な場合には,うまい基底をとれば(うまい基底の変換をすれば),線形写像の表現行列が対角行列になるということである.つまり,(対角化可能の場合には) 線形写像は,よい見方をすれば対角行列という,とても単純なものになってしまうのである.その視点からなら,行列のn乗や指数関数をもとめるのも容易になる.

[21] 対角化の応用(行列の指数関数.微分方程式),演習 12月11日

    演習を行う.また,時間があれば,応用として,行列の指数関数について簡単に触れる.

[22]  内積空間 12月14日

    ユークリッド空間は高校の時から習っている.抽象的なベクトル空間にも内積や長さが入った場合を考えてみよう.それが内積空間である.関数がなすベクトル空間にだって内積が入り,現代解析学を学ぶ上で重要である.また,量子力学でも,(エルミート)内積の入ったベクトル空間(多くの場合,無限次元)を扱うのである.

[23]  正規直交基底とシュミットの直交化 12月18日

    長さが1で,互いに直交する基底を,正規直交基底とよぶ.例えば,R^nの標準基底は正規直交基底である.独立なベクトルから正規直交基底を作る標準的な方法である,シュミットの直交化について学ぶ.アイデアは,高校でもならったであろう「正射影」である.また,ベクトル空間は「基底」を選べば,数ベクトル空間R^nと同一視できた.内積空間の場合にはは「正規直交」基底を選べば,ユークリッド空間と(内積もこめて)同一視することができる,ことを見ていく.

[24] 演習,直交補空間,直和 1月9日

    内積空間(内積が入ったベクトル空間)の部分ベクトル空間に対して,自然に直交補空間が作れる.例えば,R^3内で,(原点を通る)平面に対する直交補空間とは,平面に直交する(原点を通る)直線のことである.また,直交補空間に関連して,「直和」という重要な概念も学ぶ.

[25]  正射影行列.演習 1月11日

    R^3において(原点を通る)ある平面への正射影は,明らかに線形写像である.よって,行列として書ける.その方法を教える.いわゆる射影行列である.それらの性質も学ぶ.

[26] 直交行列と対称行列 1月15日

    内積を変えない線形変換は,直交変換と呼ばれる.正規直交基底をとって,内積空間をユークリッド空間とした場合には,直交変換は直交行列(A^tA=E)に対応する.長さを変えない変換なので,物理や工学などでも重要な変換である.ここでは,直交行列のいくつかの性質を学ぶ.

[27] 対称行列の対角化と演習 1月18日

    対称行列を定義し,「対称行列Aは,直交行列Pを用いて対角化可能(P^{-1}APが対角行列)」であることを示す.また,その演習を行う.

[28] 演習及び線形代数の応用例 1月22日

    スペクトル分解を述べる.また,将来,どのように線形代数が役立つか,これまで学んだことを用いて見てみる.

[29] 演習(期末テスト対策) 1月25日 テスト

[30] 理解度確認 期末テスト 1月29日

教科書 「線形代数学 初歩からジョルダン標準形へ」 三宅 敏恒 著, 培風館

線形代数のテキストは,色々と知られているが,とてもわかりやすいテキストである.
参考文献 次の演習書は教科書に沿っているので,より理解が深まるであろう.
「線形代数の演習 」 三宅 敏恒 著, 培風館

さらに,深く線形代数を学びたいなら以下が参考になる.(上級者向け)
「線型代数学」, 佐武 一郎, 裳華房 (ジョルダン標準形,双対,テンソル代数,表現論の基礎まで書いてある,アドバンスドな参考書.レベルは高いので,もっと線形代数を知りたい人のための本)
「線型代数入門」, 齋藤 正彦 著, 東京大学出版会 (ジョルダン標準形の証明があるアドバンスドな教科書.ジョルダン標準形は単因子論を用いている,こちらもレベルは高い,もっと線形代数を知りたい人のための本)
成績評価方法
割合 評価基準
試験: 70% 試験は年4回(中間テスト春秋合わせて2回,教場試験春秋合わせて2回)行います.
講義中に行う試験については,courseN@viにて日程などをお知らせします.
レポート: 15% レポート課題や締切については講義中に述べる.4回ほど.
また,CourseN@viにも載せます.
平常点評価: 15% 出席率
備考・関連URL

*授業計画は理解度により変更することがある.

*コースナビに講義情報や試験情報を載せるので,チェックしておくこと.配布プリントなども載せる.

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