cheader

シラバス詳細照会

シラバス詳細照会

  • 講義要項やWebシラバスの記載内容は、登録された受講生の人数や理解度に応じて、授業開始後に変更となる可能性があります。

main start

授業情報

開講年度 2019年度 開講箇所 大学院アジア太平洋研究科
科目名
デジタル・エコノミー (J)

担当教員 三友 仁志
学期曜日時限 春クォーター  火3-4
科目区分 第3群:国際協力・政策研究 配当年次 1年以上 単位数 2
使用教室 19-314 キャンパス 早稲田
科目キー 40010453A0 科目クラスコード 02
授業で使用する言語 日本語
  コース・コード INFJ612L
大分野名称 情報学
中分野名称 ネットワークと通信
小分野名称 一般
レベル 修士レベル 授業形態 講義

シラバス情報

最終更新日時:2019/02/17 19:16:01

副題 Rationality and Irrationality of the Market Behavior of Users and Suppliers
利用者および供給者の市場行動の「合理性」「非合理性」
授業概要

※この科目はJICA開発大学院連携プログラム関連科目です。

 
主に情報通信を対象として、政策、ビジネス、あるいはそれらにかかわるさまざまな事象を分析するための基礎的な経済理論とその応用を習得することを目的とします。対象は必ずしも情報通信に限るものではなく、広く公共プロジェクトや、政府援助、政策の評価にも役立つ内容を提供します。

授業では、情報通信の市場にフォーカスして、検討を進めます。情報通信サービスの特性、供給側の特徴、料金など、情報通信市場を構成する要素ごとに検討を加えます。これらの検討から、政策的な支援や育成、ときには規制が必要となることの理由を説明します。

 

特に、消費者(利用者)については、経済行動だけでなく心理的側面にも焦点を当て、行動経済学などから最新のトピックスを選び、理論的基礎とその応用を学びます。一般市民は、たとえば伝統的な経済学が仮定するような合理的行動を必ずしもとるわけではなく、消費者行動の「非合理性」がもたらす帰結は、プロジェクトや政策、商品開発が本来目指していたものとはかけ離れる場合があります。

たとえば、定額料金制は経済学的には効率的な資源配分をもたらしませんが、消費者からは強く支持されます。対価を直接に求めず無料で提供し、広告等で回収するサービスの出現は、財サービスの伝統的な取引の考え方を大きく変えました。


情報通信のように変化が非常に激しい分野では、現象面に注目が集まりがちで、理論的背景を持たないうわべだけの分析に陥りがちですが、しかし、市場や消費者行動の本質を知るためには理論的フレームワークをきちんと持つことが肝要です。GAFAに代表されるOTTサービスを分析するためには新しい経済理論の構築が必要です。二面性市場やデータネットワーク効果などの理論は、これらの市場を分析するうえで極めて重要となります。

したがって、この授業では、新しいサービスの出現といった情報通信市場や技術における最新の動向を踏まえながら、あるべき政策やビジネスの方向性を分析するための基礎的な経済理論をまず学習した上で、グループワークによる社会実験などを通じて、理論の応用と評価を学びます。また、通信企業等を訪問する機会を設け、実際の技術やサービスを見ることによって、現実的な感覚を養います。

 

Aims to acquire basic economic theories for evaluating policies, business strategies and related issues primarily in the ICT sector. The target is not limited to ICT but the theories to be studied can be applied to the evaluation of government policies and projects for the development of social infrastructure.

In order to focus on both economic and psychological aspects of consumer (user) behavior, we will select a theme from the latest topics in behavioral economics and learn theoretical foundations and their applications. People are not so rational as traditional economics assumes and their irrational behavior may lead to an unexpected consequence that is far away from what it should be oriented to.

Specifically, in such a rapidly changing area as ICT, our attention tends to be drawn to superficial phenomena rather than having a deep insight into them. However, to understand the nature of markets and consumer (user) behavior and the market mechanism, it is extremely important to have a theoretical framework for the analysis.

For example, multiple tariffs have been applied to ICT services. Among others, a flat-rate tariff is strongly preferred by consumers, while it has been regarded as a pricing scheme to be avoided in order to achieve an efficient resource allocation. In addition, a new business model has emerged in which a service is provided for free and the cost is covered by other sources of revenue such as advertisements. Emergence of these business models has changed a traditional way of business transactions.

In order to analyze OTT services typically provided by GAFA, a new analytical framework should be constructed. The theory of two-sided markets and data network effects are useful to analyze the markets.

In this class, in reference to the latest trend in information and communication markets and technologies, we will firstly study basic theories to design policies and to show business orientations, and then carry out a social experiment to learn how the theories can explain the fact and be applied to deal with it. The class will provide students with an opportunity to visit ICT companies to see the latest technologies and their applications.

授業の到達目標 情報通信のように変化が非常に激しい分野では、現象面に注目が集まりがちで、理論的背景を持たないうわべだけの分析に陥りがちです。しかし、市場や消費者行動の本質を知るためには理論的フレームワークをきちんと持つことが肝要です。この授業では、ICTなどの新しいサービスの出現に対する消費者(利用者)の行動を評価するための理論的な基礎を習得することが、最終の目標となります。

In such a rapidly changing area as ICT, our attention tends to be drawn to superficial phenomena, without having any academic background. However, to understand the nature of markets and consumer (user) behavior, it is extremely important to have a theoretical background and framework for the analysis. The goal in this class is to acquire theoretical foundations and some application abilities fot evaluating consumers’ behavior in the face of the emergence of new services such as ICT.
事前・事後学習の内容 リーディングリストを最初の授業で配布します。講義の内容により、事前学習および事後学習が求められます。
The reading list will be handed out in the first class. Preparation and/or review are required depending on the content of each class.
授業計画
1:
概説、ガイダンスとテーマの選択
本講義の目的と概要について説明します。以下の内容をアップデートしたものを配布します。
2:
学習に必要なミクロ経済理論の習得1
経済学の未修者を前提に、消費者行動、供給者の行動、および市場メカニズムまでを理解するために必要な基礎的理論を学習します。
3:
学習に必要なミクロ経済理論の習得2
引き続き、経済学の未修者を前提に、消費者行動、供給者の行動、および市場メカニズムまでを理解するために必要な基礎的理論を学習します。
4:
学習に必要なミクロ経済理論の習得3
引き続き、経済学の未修者を前提に、消費者行動、供給者の行動、および市場メカニズムまでを理解するために必要な基礎的理論を学習します。
5:
市場メカニズムと政府の役割、 通信(ICT)サービスと規制の枠組み
自然独占性がある情報通信産業に対する規制の必要性を述べるとともに、規制の弊害についても説明します。規制の弊害への対策として、市場メカニズムに依拠したインセンティブの付与、および競争導入によって市場の効率化を図るという政策の方向性を説明します。
6:
ネットワーク効果(外部性)とICTサービスの普及、データネットワーク効果
対話型の通信サービスが持つ特性であるネットワーク効果と、新しいサービスの普及理論を概説します。さらに、ビッグデータ市場やAIで顕著なデータネットワーク効果を解説します。
7:
二面市場(two-sided markets)と競争
ネットワーク効果の拡張として、プラットフォーム競争において顕著な売り手と買い手の相乗効果である市場の二面性について解説します。
8:
グループワーク1
具体的なテーマのもとにグループワークを行い、その成果を発表します。
9:
消費者(利用者)行動分析における行動経済学的アプローチ I
消費者(利用者)の非合理性を前提とした経済学的分析手法である行動経済学の理論を用いて、情報通信における消費者行動を分析します。経済学では、消費者(利用者)は合理的な行動を取ると仮定されますが、実際の消費者(利用者)は非合理的な意思決定をします。情報通信に典型的に現れる消費者行動の非合理性が市場にどのような影響を与えるか検討します。
10:
消費者(利用者)行動分析における行動経済学的アプローチ II
引き続き、消費者(利用者)の非合理性を前提とした経済学的分析手法である行動経済学の理論を用いて、情報通信における消費者行動を分析します。
11:
定額料金の魅力

情報通信サービスは一物一価の法則が当てはまらず、同一サービスに様々な料金体系が存在します。なかでも、定額料金は利用者が強く選好する料金体系と言えます。利用者が定額料金を強く選好する理由を解明します。

12:
料金(価格)ゼロの力

無料であることは消費者の強い関心を惹きつけます。消費者に直接の対価を支払わせることなく、広告などの手段によって収益を得る広告モデルやフリーミアムと呼ばれるビジネスモデルに言及します。また、料金ゼロの効果を社会実験として確認するためのグループワークを実施します。

13:
オークションと勝者の呪い
オークションは、周波数の割当のために用いられている手法です。しかし、オークションのデザインでは、経済学のオークション理論ばかりでなく、法律、政治などさまざまな要因を考慮する必要があります。オークションの成功とは何かという問いに対する回答を考えます。
14:
グループワーク2
具体的なテーマのもとにグループワークを行い、その成果を発表します。
15:
見学会
最新の情報通信技術とサービスを実際に情報通信企業を訪問して、確認します。
教科書 教科書は指定しませんが、リーディングリストに基づき、マテリアルを用意していただきます。
A reading list will be handed out in the first class. Students are requested to make a copy of reading materials.

過去に使用した教科書は参考文献欄に載っています。
Books that were used in the past are listed in the column of "References".
参考文献 Majumdar et al., Handbook of Telecommunications Economics I, II, North-Holland, 2002/2006.
Itzhak Gilboa, Rational Choice, MIT Press, 2010.
Dan Ariely, Predictably Irrational, HarperCollins, 2010.
Vernon L. Smith, Rationality in Economics: Constructivist and Ecological Forms, Cambridge University Press, 2009.
Nick Wilkinson, Introduction to Behavioral Economics, Palgrave Macmillan, 2007.
実積寿也、『通信産業の経済学』、九州大学出版会、2010。
櫻井直子、『情報セキュリティの価値と評価』、文眞堂、2011。
成績評価方法
割合 評価基準
試験: 0% 実施しない
レポート: 60% Interim and final assignments
授業の期間中に出される宿題、学期最後の課題が含まれます。
平常点評価: 40% Class participation
出席点ではなくclass participationの評価です。発表、質疑討論への参加が評価の対象です。
その他: 0% なし
備考・関連URL

ページの先頭へ戻る

Copyright © Media Network Center,Waseda University 2006-2019.All rights reserved.

read