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シラバス詳細照会

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  • 講義要項やWebシラバスの記載内容は、登録された受講生の人数や理解度に応じて、授業開始後に変更となる可能性があります。

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授業情報

開講年度 2019年度 開講箇所 大学院法務研究科
科目名
倒産法II B

2019年度ペーパーオプション対象科目

担当教員 山本 研
学期曜日時限 春学期  木5時限
科目区分 共通選択科目(展開・先端科目):民事系 / WS企業法務 配当年次 3年以上 単位数 2
使用教室 27-201 キャンパス 早稲田
科目キー 470101004A 科目クラスコード 02
授業で使用する言語 日本語
  コース・コード LAWB686L
大分野名称 法学
中分野名称 民事法
小分野名称 その他
レベル 修士レベル 授業形態 講義

シラバス情報

最終更新日時:2019/01/21 20:17:26

副題 「倒産法ⅠB」と「倒産法ⅡB」のセット受講で、春学期中に倒産法について一通り仕上げるコース
授業概要

 「倒産法」は実定法の名称ではないが、破産法、民事再生法、会社更生法、会社法などにまたがる倒産処理に関する手続を規律する法制度の総称である。倒産法によって規律される倒産処理手続は、破産手続、民事再生手続、会社更生手続および特別清算手続によって構成されている。
 これらの倒産処理手続につき、2つの授業(「倒産法ⅠB」と「倒産法ⅡB」)を2コマ連続で連動させて実施することにより、清算型の一般手続である「破産手続」と、再建型の一般手続である「民事再生手続」を取り上げ、両手続を対比しながら扱うこととする。いくつかの基本書においては、破産手続と民事再生手続を切り離し、それぞれ別個に扱うものもあるが、本講においては、2つの授業を連動させることにより、清算型手続と再建型手続を常に対比しつつ扱うこととする。これにより、両手続に共通する部分(倒産処理それ自体の要請による制度・手続構造など)と相違点(清算型と再建型の制度目的の相違により生ずる差異)について、その制度趣旨を含め、より適切に理解することが可能となるとともに、学習効果としても効率的であると考えられることによる。
 講義全体の流れとしては、「倒産法ⅠB」と同様に、まず最初に倒産処理手続の全体構造における各手続の位置づけと特徴について明らかにした上で、次いで、各論として、清算型の破産手続と対比しながら再建型の民事再生手続を中心的に取り上げ、手続の流れに沿いながら、両手続に共通する点と相違点に留意しつつ、手続の各段階において生ずる個別的問題を取り上げて検討していく。なお、「倒産法Ⅰ B」と「倒産法Ⅱ B」は2コマ連続で授業を実施し、内容面についても相互に関連させながら進めるため、一方のみの授業を履修するのでは、履修内容に過不足を生じるため、履修者はこれら2つの授業を必ずセットで受講するようにしてください。
 講義方法としては、各回のテーマについての基本的事項と事前に出題する事例問題についてあらかじめ十分な予習がなされていることを前提に、具体的な判例や事例問題を素材として、問答方式による討論型の授業を行う。また、この授業ではおもにレジュメと事例問題を使用し、レジュメおよび事例問題については、TKC教育研究支援システムを利用して事前に配布する。

授業の到達目標  「倒産法Ⅰ B」と「倒産法Ⅱ B」を2コマ連続で相互に連動させながら実施することにより、清算型の一般手続である破産手続と、再建型の一般手続である民事再生手続を対比しながら、手続の各段階において生ずる個別的問題を取り上げて検討する。これにより、清算型・再建型の倒産手続の全体構造についての基本的理解と具体的問題についての対応力(具体的な局面において、的確に条文を操作・適用し、妥当な結論を導き出す能力)を身につけてもらうことを到達目標とする。
 また、債務者の経済的破綻という極限状況において、債権者の権利や従前の契約関係がどのように取り扱われるか(倒産実体法)を学ぶことを通じ、既習の民事実体法の知識につきより深い理解を得ることをも併せて目標とする。
事前・事後学習の内容  本講においては、各回のテーマに関する基本的事項と事前に出題する事例問題についてあらかじめ十分な予習がなされていることを前提に授業を進めるので、受講者は、各回のテーマに関連する部分について、各自の基本書に目を通しておくとともに、TKC教育研究支援システムを通じて配布される、レジュメおよび事例問題について検討しておくことが要求される。
 また、事後学習においては、基本知識・基本概念の定着を図るとともに、各回の授業で扱ったテーマ(論点)が、手続の全体構造の中で、どの部分に位置づけられ、どのような意味を持つのかにつき、清算型手続と再建型手続における規律の異同に留意しつつ、整理しておくことが有効であろう。

※開講前の準備※
 受講者は、民事再生手続の全体像を把握するために、松下淳一『民事再生法入門[第2版]』(有斐閣、2014)に一通り目を通しておくことが望ましい。
授業計画
1:
第1回 オリエンテーション/倒産処理の二方向

・オリエンテーションとして、本講義の目的、内容、および、「倒産法ⅠB]との関係について説明する。

・倒産法ⅠBに引き続き、清算型と債権型の二つの倒産処理の方向性について概説する。

2:
第2回 各種の倒産手続-倒産手続における機能分担

 ・各種の倒産手続を対比しつつ、具体的な倒産事例を用いて各手続相互の機能分担をめぐる問題につき検討する。

3:
第3回 再生手続の開始

 ・民事手続につき、手続開始申立てから、手続開始前の保全処分、手続開始決定までを扱う。

 ・手続開始原因については、清算型と再建型の手続目的の差がどのように反映しているかについて理解を深める。

4:
第4回 再生手続開始の効力

 ・民事再生手続開始の効力について、破産手続開始の効力と対比しながら検討することにより、その異同について明らかにする。

5:
第5回 倒産財団と取戻権

 ・破産財団、自由財産、倒産財団の管理、取戻権について扱う。取戻権については譲渡担保に関する事例等の検討を通じて理解を深める。なお、取戻権に関する規律については、破産手続と民事再生手続で基本的には同一のため、両者を一体的に扱うこととする。

6:
第6回 再生債務者に対する債権

 ・再生債権・共益債権・一般優先債権・開始後債権等の再生債務者に対する債権の手続上の処遇、および、再生債権の届出・調査・確定手続について、破産手続における各種の債権の処遇と対比しながら扱う。

7:
第7回 多数債務者関係と倒産債権

 ・判例および事例問題の検討を通じて、保証、物上保証、連帯債務、連帯保証債務などの債務者倒産の場合における債権者、求償債権者の権利行使に関する法律関係につき検討する。

8:
第8回 倒産手続と担保権

  ・判例および事例問題の検討を通じて、各種の担保権が倒産手続においてどのように取り扱われるかについて、破産手続と民事再生手続における処遇を対比することにより理解を深める。

 

9:
第9回 未履行の契約関係の処理

 ・未履行の契約関係の処理につき、敷金返還請求権の保護等、破産手続と民事再生手続で差が生じる局面を中心的にとりあげ、判例および事例問題の検討を通じて理解を深める。

10:
第10回 倒産手続と相殺権

 ・倒産手続における相殺権について、停止条件付債権を受働債権とする相殺など、破産手続と民事再生手続で差が生じうる局面をとりあげ、事例問題の検討を通じて理解を深める。

 ・相殺権に関する近時の重要判例について紹介し、破産手続と民事再生手続における異同について検討を深める。

11:
第11回 否認権-事例問題の検討
 ・否認権について、判例および事例問題の検討を通じて理解を深める。


12:
第12回 再生計画
 ・再生計画の内容(条項)・成立(可決・認可)・履行の確保をめぐる規律について概観した上で、判例および事例問題の検討を通じて理解を深める。


13:
第13回 再生手続における計画認可後の手続

・民事再生手続における計画認可後の手続について概説する。

14:
第14回 個人の倒産処理-個人再生および各種の多重債務処理の手法
 ・個人再生(小規模個人再生・給与所得者等再生)、特定調停などの破産免責以外の多重債務整理の手法について解説した上で、事例問題を用いて多重債務の処理の手法およびその選択(機能分担)につき理解を深める。
15:
第15回 学期末試験

「倒産法ⅠB」とは別に、事例問題形式の試験を実施する。

教科書  以下の参考文献に掲げる、(1)加藤哲夫、(2)伊藤眞、(3)山本和彦ほか、(4)藤田広美、(5)田頭章一のいずれかを教科書として用意するとともに、(7)『倒産判例百選〔第5版〕』を用意し、毎回授業に持参すること。
 なお、倒産処理制度の全体像を把握するための簡易なテキストとして、山本和彦『倒産処理法入門[第5版]』(有斐閣、2018)が、また、民事再生法の全体像を把握するための簡易なテキストとして松下淳一『民事再生法入門[第2版]』(有斐閣、2014)が有益である。
参考文献  倒産法の分野は実務書を含めて多くの著作がみられる。授業では、適宜、論文その他の参考文献を提示するが、以下に、参考文献として代表的な文献を示しておく。
 (1)加藤哲夫『破産法[第6版]』(弘文堂、2012)
 (2)伊藤眞『破産法・民事再生法[第3版]』(有斐閣、2014)
 (3)山本和彦ほか『倒産法概説[第2版補訂版]』(弘文堂、2015)
 (4)藤田広美『破産・再生』(弘文堂、2012)
 (5)田頭章一『講義 破産法・民事再生法-重要論点の解説と演習』(有斐閣、2016)
 (6)山本克己『破産法・民事再生法概論』(商事法務、2012)
 (7)伊藤眞=松下淳一編『倒産判例百選〔第5版〕』(有斐閣、2013)
 (8)伊藤眞ほか『条解破産法[第2版]』(弘文堂、2014)
 (9)竹下守夫 編集代表『大コンメンタール破産法』(青林書院、2007)
 (10)山本克己ほか『新基本法コンメンタール 破産法』(日本評論社、2014)
 (11)山本克己ほか『新基本法コンメンタール 民事再生法』(日本評論社、2015)
 (12)福永有利監『詳解民事再生法[第2版]』(民事法研究会、2009)
 (13)伊藤眞=田原睦夫監修『新注釈民事再生法(上)(下)[第2版]』(きんざい、2010年)
 (14)園尾隆司=小林秀之編『条解民事再生法[第3版]』(弘文堂、2013)
 (15)伊藤眞ほか編『民事再生法逐条研究―解釈と運用―』ジュリスト増刊(有斐閣、2002)
 (16)山本克己=山本和彦=瀬戸英雄編『新破産法の理論と実務』(判例タイムズ社、2008)
 (17)櫻井=加藤=西口編『倒産処理法制の理論と実務』(経済法令、2006)
 (18)伊藤=松下=山本編『新破産法の基本構造と実務』(有斐閣、2007)
 (19)深山卓也ほか『一問一答民事再生法』(商事法務研究会、2000)
 (20)始関正光編著『一問一答個人再生手続』(商事法務研究会、2001)
 (21)小川秀樹編著『一問一答新しい破産法』(商事法務、2004)
(22)加藤哲夫=中島弘雅編『ロースクール演習倒産法』(法学書院、2012)
 (23)加藤哲夫=吉田修平『ハンドブック個人再生手続』(有斐閣選書)(有斐閣、2003)
 (24)全国倒産処理弁護士ネットワーク『個人再生の実務Q&A 100問』(きんざい、2008)
成績評価方法
割合 評価基準
試験: 70%  事例問題形式の試験を実施し、倒産手続の全体構造についての基本的理解を前提に、具体的問題について、的確に条文を適用し妥当な結論を導き出すことができるレベルに達しているかを評価する。
レポート: 10%  授業の進行状況に応じてであるが、レポートを中心とするアサインメントを1回程度実施する可能性がある。評価基準としては、対象となった制度等につき、現在の議論状況や判例状況を踏まえ、正確に理解できているか、および、それを前提に設例の局面において妥当な結論を導き出すことができているかを評価する。
 また、 授業の進行状況との兼ね合いによるが、希望者がいれば学生による判例紹介を授業時間内に実施し、当該学生についてはそれをもってレポートに代替することがある。
 ※ただし、レポートを実施しない場合には、10%分は平常点評価に割り振ることとする。
平常点評価: 20%  講義においては、適宜受講者との質疑応答を行い、その際の質疑応答の内容、問題意識、積極的な参加姿勢等を平常点として評価する。
その他:  講義への出席については、評価の前提として当然に要求されるものであり、原則的には評価対象に含めないが、出席状況が不良の場合には、マイナス要素として用いる。
備考・関連URL

<受講要件等>

 ・授業概要に記載したとおり、本講義(「倒産法ⅡB」)は、「倒産法ⅠB」と相互に連動させながら授業を実施するため、履修者は必ずこの2つの授業をセットで履修するようにしてください。いずれか一方のみを履修することは原則として認めません(いずれか一方の授業においてのみ扱う事項があり、一方のみの履修では内容を十分に理解できないため)

 ・本講は、春学期に「倒産法ⅠB」と「倒産法ⅡB」をセットで実施することにより、春学期のみで倒産法全体について扱うことになります。春学期と秋学期にわたり一年間かけてじっくりと倒産法を履修したい学生は、「倒産法ⅠA」(春学期)と「倒産法ⅡA」(秋学期)を履修するようにしてください。

 ・倒産法は、実体法と手続法の融合領域であるといわれる。また、倒産法は平常時に適用される実体法や手続法で採用されている原理・原則が修正される非常時における法制度ともいわれる。したがって、この講義は、受講する者が民法、商法(特に会社法)、民事訴訟法の基本的な知識を有することを前提としています。
 
・授業の進行状況との関係で、必要があれば進度調整のための補講を実施することがある。履修者はその旨を了解の上、履修するようにしてください。また、「倒産法ⅡB」は、5限の授業であるため、進行状況によっては多少延長することがあり得ることも併せて了解の上、履修してください。

  なお、補講の日時については、できるだけ多くの学生が参加できる日程となるよう調整を試みますが、必ずしも全員が出席できる日程で設定できないこともあり得えることについて、ご了解ください。

 ・質問については、授業終了後またはオフィスアワーに対応しますが、司法試験問題に関する質問については、守秘義務の関係でお答えできない場合があることを了解しておいてください。

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