シラバス情報
最終更新日時:2017/04/11 17:56:04
副題 |
演じることで社会的課題を発見する |
授業概要 |
合宿前の集中授業で人類学的フィールドワークと演劇的手法についての基礎的学習を行い、その上で、現場で事前リサーチを行い、各自が課題を明確にしたうえで夏季集中の実習・合宿に備える。講義の中では高齢化社会の現状と課題についての学習を深め、ワークショップ実習では演劇的手法の特徴を実践的に学び、習得するほか、ワークショップの計画とファシリテーションの方法も学ぶ。 |
授業の到達目標 |
(1)社会的課題に関して考える時、当事者/関係者の視点に立つことを演劇ワークショップを通じて経験する。同時に、起こっている事象を人々の関係性の中で客観的に捉えることを学ぶ
(2)「相手の立場や文脈に立つ」「相手を理解する」ということの難しさを自覚し、自らが持っていた先入観を相対化した上で、演劇ワークショップ等を通して「他人事」ではなく「自分のこととして」捉え直す。
(3)社会学・人類学的フィールドワーク(質的調査)手法を学ぶ。
(4)当事者と共に、社会をデザインする体験をする。そのことにより、社会問題に対しての当事者意識を形成する。
(5)ワークショップの企画・運営を自分達で行なうことにより、発想力、対話力、マネジメント能力、プレゼンテーション力、ファシリテーション力が養われる。
|
事前・事後学習の内容 |
毎回、事前に課題文献を指定するので、それを読んできて、自分の意見を発表できるよう準備する。
現地活動終了後はレポート提出。個人調査および現地ボランティア活動の準備を授業外でも進める。
|
授業計画
|
15回分に相当する授業を、3日間の集中講義で行います。日程等について下記の備考欄を必ず確認ください。 第1回:オリエンテーション | 授業の目的と内容を理解する、教員と履修生を知る。グループワークの素地を創る | 第2回:高齢化団地と地域住民の現状 | 国内の高齢化団地の抱えている現状を学ぶと共に、過疎高齢化とコミュニティの課題について考えるグループワークを行う。 | 第3回:ワークショップ実践1 応用演劇の基礎知識と実際 | 社会的課題に対して演劇的手法を使って考えたり解決した国内外の事例について学ぶ。それを自分たちの実践に活かす方法をグループワークで行う。 | 第4回:ワークショップ実践2 コミュニケーションと他者理解 | 演劇ワークショップを通して、言語以外のコミュニケーションを読み取り働きかける方法を学ぶ。他者を理解する方法へ応用するワークを行う。 | 第5回:ワークショップ実践3 高齢者の立場に立って考える | 高齢者や障がいのある人々の立場に立つために、演じる手法を使う方法をグループワークで学ぶ。そこから、課題を抽出し議論する。 | 第6回:ふらっと相談室室長より団地の概略の説明(国内実習) | 八王子市の舘ケ丘団地にて1日現場実習を行う。これは事前調査としての位置付けである。 ふらっと相談室室長より団地の概略と課題点について話を伺う。 | 第7回:団地内をフィールドワーク1 | 相談室長のガイドで団地内を全員で歩きながら、空間的特性を把握する。 | 第8回:住民への生活状況ヒアリング(高齢者宅個別訪問) | グループに分かれ、住民への生活状況ヒアリングを行う。実習で行うボランティアの予行練習にあたる。また、ここから自身が実習で取り上げたいテーマを考える。 | 第9回:近隣の施設やNPO等についての調査 | 各自の関心テーマに従って、ごく近隣施設の場合は現地へヒアリングに、その他の場合はキーパーソンに団地まで来ていただきヒアリングさせていただく。 | 第10回:団地内をフィールドワーク2 | これまでの事前調査の内容を踏まえ、各自の関心に従って団地内をフィールドワークする。 | 第11回:本日のFWのシェアリングとグループワーク | 各グループにヒアリング結果を共有する。KJ法等を使い視覚的に課題をシェアし整理する。 次回の学習へ向けて、グループ毎、および個人の問題関心を明確にしていく。 | 第12回:FWの成果を演劇的手法で積み上げる方法を学ぶ 1 | ゲスト講師(ワークショップファシリテーター)を招き、現場実習の成果を演劇的に思考し、表現する方法を実践的に学ぶ | 第13回:FWの成果を演劇的手法で積み上げる方法を学ぶ 2 | 現場実習の成果を演劇的に落とし込んだシーンを、各グループで発表し講評をし合う。 | 第14回:ファシリテーションの実際 | ゲスト講師(ワークショップファシリテーター)から、ファシリテーションの手法を学ぶ。実習の成果発表の際に学生自身が住民の前でファシリテーターを務められるように準備をする。 | 第15回:実習の最終準備 | 実習を迎えるにあたり、各グループ準備の最終確認を行う。ボランティアの計画などを現地に提出する。 |
|
教科書 |
学習に必要な情報、文献をまとめた資料を用意します。 |
参考文献 |
菅原和孝 2006『フィールドワークへの挑戦―“実践”人類学入門』世界思想社
アウグスト・ボアール 1984『被抑圧者の演劇』晶文社
|
成績評価方法 |
割合 |
評価基準 |
試験: |
0%
|
試験は行いません。代わりにレポートや実習先での学びにより評価します。 |
レポート: |
30%
|
演劇的手法の可能性について、事前学習、現地実習を通して考察し、事後学習を踏まえて小論の形でまとめる。
この小論中で、各自の課題に対して自分自身の言葉で深い考察が行われているかを評価する。 |
平常点評価: |
30%
|
事前事後学習における講義、ワークショップやディスカッション形式での授業への参加態度や、発表会や報告書作成への参加の積極性を評価する。 |
その他: |
40%
|
現地実習時の学習態度および実習グループ間の学びあいに対する姿勢などを評価する。 |
|
備考・関連URL |
・本科目は、夏秋学期科目「社会の見方を変えるフィールドワークとワークショップ2」(以下、「2」) と連動しています。「2」を履修するためには、本科目とセットで登録するか、 本科目の単位を修得している必要があります。 ・履修登録の際に、志望理由書の記入と面接が必須です。 ・本科目の履修を希望する者は、通常のWeb登録に加え、以下①・②を行う必要があります。 ================================================================ ①志望理由入力(科目登録期間中)
②担当教員による電話面接 【日時】4月15日(土) 10:00~14:00 ※上記の時間帯で、15分程度の電話面接を行います。 教員より電話をしますので、志望理由提出の際、
必ず電話番号とメールアドレスを明記してください。 ================================================================
・この授業は下記の要領で集中講義の形式をとりますのでご注意ください。全て必ず出席してください。 【学期】:集中講義(春学期) 【時間割】:下記の日程の土曜日:3~7限 5月27日(土)6月10日(土)6月24日(土)(予定) 【現地事前実習にかかる費用】高尾駅からバスで10分の館ヶ丘団地までの交通費、及び当日の昼食代は各自の負担(実費)となります。
この実習はGEC科目「社会貢献のためのクリエイティブな発想と実践」の実践科目としても位置付けられます。左記の科目の履修は必須ではないですが、並行して履修するとより力がつきます。 「社会貢献のためのクリエイティブな発想と実践」については下記のURLを参考にしてください。
|